名誉院長の小部屋

こちらのコーナーでは当院、 守田知明名誉院長から、その時々の話題やメッセージを掲載してまいります。

健康長寿を目指して

  日積社会福祉協議会の福祉講演会で健康長寿の講演をしました。我が国は超高齢者社会になっており、令和元年で65歳以上の高齢者は全人口の28.3%です。65歳男性の平均余命は19.57年、女性は24.43年で20年前後の余生があります。その間を少しでも楽しく、充実した日々とするには健康であることが極めて重要です。「健康寿命(自立した生活が送られる期間)を延ばす為にはどうすればいいか」というお話でした。
 平均寿命は延びていますが、介護が必要な期間(男性9.02年、女性12.40年)はこの20年間ほとんど変わっておらず、そこを短くするには相当な努力が必要です。特に食生活の改善と適度の運動が大切です。高齢者になると筋力やバランス能力は低下し、転倒や骨折が多くなります。当院整形外科では毎年170例前後の大腿骨近位部骨折手術を行っていますが、骨折を契機に要介護となられる方はたくさんおられます。
 食べ過ぎに注意し、農作業や散歩、健康体操等でしっかり体を動かして健康長寿を目指しましょう。

2019年12月3日

新緑の時期は過ぎましたが・・・

 4月から5月は私の最も好きな季節です。新緑の中を歩くと心が癒されます。数年前、奥入瀬や白神山地の新緑ブナ林のなかを散策したのがいい思い出です。今も暇をみつけては琴石山や城山・岩国山、宮島弥山などを歩いています。琴石山はほとんど人と出会うことが無くて不安な時もありますが、逆に弥山はロープウェイを使っての観光客が多く山頂はいつも混雑しています。大山や石鎚山など新たな山への挑戦も考えましたが、年齢とひとり歩きであることを考え、歩きなれた近隣の山で楽しんでいます。

2019年6月20日

奥入瀬 阿修羅の流れ

奥入瀬 阿修羅の流れ

白神山地 暗門渓谷ル-ト

白神山地 暗門渓谷ル-ト

白神山地 十二湖

白神山地 十二湖

嶋元徹先生

  1月24日、大島郡医師会長 嶋元徹先生がご逝去されました。「病気だけど、病人ではない」で紹介した先生で、進行胃がん・がん性腹膜炎と闘いながら診療し、趣味のバイクレ-スを楽しまれていました。医師として、がん患者として最後まで弱音を吐くことなく、地域医療に頑張られたその生き方は多くの人に感動を与えました。

 体調不良にもかかわらず各地に出向いて数多くの講演をされ、住民には「がんとの向き合い方」、医療関係者には「がん患者の想いや希望」に関し数多くのメッセ-ジを頂きました。12月26日には先生の強い希望で当院職員に「がん患者として医療関係者におくる最後のメッセ-ジ」と題して講演して頂きました。

 先生の遺志を引き継ぎ4月から予約制で「名誉院長のがん相談」を始めます。がん患者・家族の想いや希望をしっかり聞き、がんと上手に向き合うための参考になればと思います。詳細は病院HPや深呼吸等で広報してまいります。

2019年3月6日

がんとどの様に向き合うか迷っていませんか?

 2人に1人ががんに罹り、3人に1人はがんで亡くなる時代です。国民病ともいえるがんとどの様に向き合うか、どの様に付き合うかは大きな問題です。
 がんに罹ると様々な場面で判断を求められます。例えば①どこで治療を受けるか ②がんと徹底的に闘うか、それとも治療はほどほどにして日常生活の質を大切にするか ③抗がん剤の副作用はどこまで我慢しなければならないのか ④どこまで治療を続けるか等々たくさんあります。
  では、判断するための情報はどこから得ていますか。治療医、かかりつけ医、緩和ケア医、ネットからの情報、医師以外の医療関係者、がん仲間等が考えられます。しかし、担当医には聞きづらい、情報量が多すぎて困る、自分の欲しい情報がなかなか得られない、ゆっくり相談できる場が欲しいという話をよく聞きます。
  がん相談支援室では、がん医療に関わる質問や相談に専門の相談員がお話を伺っています。患者さん・家族の「思いや希望」をお聞きし、必要に応じ医師、看護師、社会福祉士、薬剤師、栄養士、理学療法士などと連携をとりながらお答えします。私は治療を担当することはほとんどありませんが、相談員のひとりとしてお役に立てればと思っています。

平成31年1月15日

謹 賀 新 年

新年明けましておめでとうございます。
 周東総合病院に勤務して40年を超えましたが、医師としての私の役割も治療医から相談医?に変わってきました。がん医療に関しては、様々な情報が入り混じり判断に迷う人が増えており、相談を受ける機会が増えています。患者さんや家族の「思いや希望」をしっかり聞き、安心して治療に専念できるようお役に立てればと思っています。
 年末からバスク地方に行ってきました。スペイン北西部からフランス南西部に跨る地域で、今年の正月には美食の街・ア-トの街としてBSで放映されました。
 サンセバスチャンは美食の街として有名で、「バル=居酒屋」はカウンタ-にピンチョスが並んでおり、スペイン語が分からなくても、欲しいものを指差して頼めばOKなので、旅行者も気軽に立ち寄れます。基本的には立ち食いでピンチョを2~3品頼んでは次のバルに移動し

ます。ただ、人気店は混雑しており、遠慮しているとなかなか食べ物にありつけませんでした。

サンセバスチャン旧市街

 

バルビルバオ:グッゲンハイム美術館

平成31年1月19日

病気だけど病人ではない

 12月14日、病気と闘っておられる某先生の講演を聞きに行きました。「病気だけど病人ではない」はその時のタイトルです。
  講演の中で、自分は医師なので予想される今後の経過はほぼ分かる。そのなかで病気とどのように付き合っていくか。選択肢として①辛くても病気と徹底的に闘う ②治療は続けるが日々の生活の質を大切するがあり、②を選択した。どちらも正解で、あとは年齢、病名、進行度、価値観、家庭環境等を考え各個人が判断すればいい。ただ、自分の考えを主治医へしっかり伝えることが非常に大切。病気のことを考えると暗くなり落ち込むから、予定をどんどん入れて病気のことを考えないようにしている。
これらの事はTYSニュース番組で既に放送されており、1月27日15:30~16:00には特番として放送予定だそうです。

2018.12.14

平成30年12月18日

遺伝性乳がん卵巣がん症候群

 2人に1人ががんに罹り、3人に1人はがんで亡くなる時代です。昔から「がん家系」ということばはよく聞いていましたが、最近がんと遺伝の関係が少しずつ明らかになってきました。
  2013年にアメリカの女優アンジェリ-ナ・ジョリ-さんが乳がん予防のため乳房切除術を受けたことを公表して大きな話題になりました。遺伝子検査を受け乳がんになるリスクが非常に高い(遺伝性乳がん卵巣がん症候群)ことが分かっての決断でした。
  日本人11人に1人が乳がんに罹っています。①若年性乳がん ②両側乳がん ③血縁者に乳がん患者等は遺伝性乳がん卵巣がん症候群を疑うサインです。この遺伝子検査は当院でも可能ですが、メリットデメリットがあり「遺伝カウンセリング」も必要で、受けるか否かは慎重に判断する必要があります。不明な点は地域医療連携室のがん相談支援センターにご相談下さい。

2018.8.8 カプリ島 青の洞窟

平成30年11月9日

自分らしく最期を迎えるために

 医師という職業柄、いろんな人の最期に立ち会ってきました。頑張っておられた頃の面影を残しつつ、親しい人に見送られ、静かに逝かれたひと。最期まで病気と闘ったひと。多くのチュ-ブを付けたまま逝かれたひと。誰もが死は避けることができません。多くの人が望むのは“ただ長寿を願うより家族に迷惑をかけずに長生きし、そして長い介護生活もなく、ころりと逝きたい”でしょう。
 そのためには元気な高齢者は頑張って健康寿命を延ばすこと。少し弱ってきた高齢者は家族、医療従事者と①治療や療養に対する希望 ②これから終末期に向け予想される心身の変化 ③終末期に行われる可能性のある医療・ケア方法(緩和ケア、点滴、胃瘻、人工呼吸器、心肺蘇生等)などについて話し合い、情報を共有することです。「アドバンス・ケア・プランニング(ACP)」と言います。
 死について話し合うのはなかなか難しい問題ですが、いま病気と闘っている人はぜひ考えてみて下さい。

平成30年9月26日

空飛ぶ船の島

 ランペドゥ-サ島はイタリア最南端の離島で、ネット上で死ぬまでに行きたい絶景No.1に輝いたところです。海の透明度が非常に高く海底が白色のため、船の影がそのまま海底に届き、浮いているように見えます。残念ながら波のためガイドブックで見る像とは少し違っていましたが・・・

平成30年8月29日

乳がん講演会

 乳がんは治療の選択肢が非常に多く、治療法を誤ると助かる命も助かりません。同じ乳がんでもタイプにより治療法が異なります。治療に関しては担当医師から期待される効果と予想される副作用など詳しい説明がありますが、最終的に決めるのは患者さん本人です。
  乳がんはどのような病気なのか、自分の身を守るため、そして家族のためにもしっかり勉強して下さい。
12人に1人が乳がんに罹っており、決して稀な病気ではありません。
 10月22日(土)、当院講堂にて当院の乳がん専門医松並展輝医師による乳がん講演会を開催します。松並医師は田布施町の出身で柳井高校第28回卒です。

平成30年8月29日

緩和ケア研修会:「僕は病気だけど病人ではない」

 医療関係者対象の緩和ケア研修会を開催し、その中でがん患者さんの思いを聞く機会がありました。その人はたくさんの趣味を持っておられ、「がんに罹ったために趣味は捨てない。趣味を捨てると病人になってしまう。遊んでいるときは病気を忘れることができ、趣味の多さに助けられた。がんの治療も重要だがそれ以上にこれからどのように生きていくかが重要」と話されていました。
 がんと徹底的に戦う人 がんと寄り添い上手に付き合う事を選ぶひと。 がん患者さんにもいろんなタイプがあります。自分はどうしたいのかをしっかり考え、治療医に伝えることが重要です。

平成30年4月10日